2017年9月1日 16:00 日頃は大変お世話になっております。 守谷営業所事務担当の久保です。 先日は最近のアメリカの銅在庫について学びましたが、今回は銅相場への影響が大きい中国に目を向けてみたいと思います。 「中国7月精錬銅(銅地金)輸入量は、前年同月比12.8%増加。」 8月24日の統計発表を受けて、こんな報道が流れました。 中国の非鉄金属需要が今後も増加するという見方も強いと報道される中、この統計は中国の銅需要の強さを示したとして、銅相場の上げ材料と捉えられたようです。 確かに一年前と比べて約13%は大幅な増加といえそうです。 しかし、次のグラフを見たらどのように感じるでしょうか? このグラフは、2016年と2017年の中国精錬銅輸入量を棒グラフで示し、折れ線グラフで今年、2017年の前年同月比を示しています。
前年同月比を示す折れ線グラフは、確かに7月に急上昇していますが、棒グラフが示す輸入量自体はそれほど増加していないようです。 どちらかと言えば昨年、2016年7月の輸入量が減っていることが目立っています。 さてこの統計は、中国の銅需要の強さを示したとして、銅相場の上げ材料と捉えても良いのでしょうか? なお、この日の海外銅相場は中国需要への期待感が高まったとして上昇しています。 金融の世界には「相場は常に正しい」という格言があります。 これは、たとえ相場が自分の見方と違う動きをしても、多くの人々の見方、考え方や需給を反映して決まる相場は、常に正しい状態にあるとする考え方です。 自分の見方が市場と合わない時には、市場の見方を知ることもも大切なことだと言われています。 しかしその一方で相場には、何かに過度に反応して行き過ぎて、後に修正が起きることもよくあることです。 やはり情報を正しく捉えるための努力もまた、大切なことのように思えます。 今後もいろいろな観点から「銅相場」を学んでいきたいと思います。 どうぞよろしくお願い申し上げます。
久保 淳