2017年11月20日 15:00 日頃は大変お世話になっております。 守谷営業所事務担当の久保です。 今月8日に発表された10月の中国銅及び銅製品の輸入は、前月比23%の大幅減となり、中国における銅需要の落ち込みを懸念する見方が強まって、一時銅は値を下げました。 最大の銅需要国である中国の銅輸入には、毎月注目が集まり、時として銅の価格に大きな影響を与えてきました。 中国の精錬銅輸入については、以前のブログでも取り上げましたが、今回は別な視点で、銅相場と中国の銅輸入の関係に注目してみようと思います。 いわゆる「中国の銅輸入」には「銅及び銅製品の輸入」と「精錬銅の輸入」二つがあり、それぞれ別な日に発表されています。 中国では毎月10日前後に、前月分の貿易統計が発表され、その際同時に「銅及び銅製品の輸入」が発表されます。 そして各月の下旬、20日を過ぎたあたりで前月の貿易統計の詳細が発表されますが、ここで注目されるのが「精錬銅の輸入」です。 では二つの「中国の銅輸入」のグラフを見てみましょう。
この二つのグラフは、かなり連動性が高く、同じ動きをしていると言っても良さそうです。 「銅及び銅製品」に占める「精錬銅」の割合を見ると、おおむね7割弱と大半を占めているため、同じ動きをするのは当然と言えるのかも知れません。 さて近々、10月の「精錬銅の輸入」が発表されるはずですが、10月の「銅及び銅製品の輸入」から見ると、大幅に減少することが予想できそうです。 「精錬銅の輸入」の大幅減が既に予想されているとすれば、実際に大幅減の発表があっても、銅相場に与える影響は少なそうに思えます。 しかし過去のケースを見ると意外なことに、予想通りであれ実際に「精錬銅の輸入」の大幅減が発表されると、銅相場が下げることがあるようです。 残念ながらその理由は未だ調査中で、お伝えできないのですが、今回の「精錬銅の輸入」の発表を警戒しておくに越したことはなさそうです。 今後もいろいろな観点から「銅相場」を学んでいきたいと思います。
久保 淳