018年1月25日 9:00 日頃は大変お世話になっております。 守谷営業所事務担当の久保です。 昨日、24日に国内銅建値は2万円下げの80万円に改定されました。 今年に入ってからは上げが一度もないまま、4回連続で合計5万円の厳しい下げとなっています。 それでも昨年末から今年初めにかけての銅建値85万円は、2011年4月以来の約6年8カ月ぶりの高値ですから、そこから5万円下げたといっても、ずいぶん高い水準にあることは間違いありません。 同じように海外でも、LME(ロンドン金属取引所)の銅価格(現物取引)が昨年末に高値を付けており、こちらは2014年2月以来の約3年10カ月ぶりです。 ここで約10年間の銅相場のグラフを見てみましょう。
やはり現在の銅建値である80万円は、ずいぶん高い水準にあると言ってもよさそうです。 さてここで、同じグラフをもとに国内銅建値の動きと、LME銅価格の動きを見比べてみます。 ご覧のとおり、両者はほとんど同じ動きをしていますが、長い期間で見るとLME銅価格よりも、国内銅建値の方が上昇基調にあるように見えています。 そしてこの長い目で見た上げ幅の差の原因は、米ドルと円の為替相場にあるはずです。 そこで、同じく約10年間の為替相場を銅建値のグラフに重ねてみます。
すると、為替相場はこの10年の前半は円高に進んだものの、後半になって円安方向に向かったことがわかります。 円が安くなると、海外銅価格を円に換算した金額が大きくなるため、円安は銅建値の上げ要因です。 やはり為替の円安が進んだことが、国内銅建値がLME銅価格よりも上昇基調にある原因のようです。 またグラフを見ていると、普段感じていた以上に、為替相場が銅建値に大きな影響を与えていたことに気づきます。 為替相場の変動には多くの要因があって、大変読みにくいのですが、じっくりと勉強していく必要があると改めて感じました。 なお、円高から円安に方向転換した2012年12月には、当時の野党自民党が圧勝した衆議院総選挙があり、また、再び円高に向かっていた為替相場を円安に戻し、銅相場を反発させた2016年11月には、トランプ大統領が勝利した米大統領選があるなど、政治の動向にも注意が必要なようです。 今後もいろいろな観点から「銅相場」を学んでいきたいと思います。
久保 淳