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LMEより安いCOMEXの銅相場


2018年8月10日 12:00

日頃は大変お世話になっております。 守谷営業所事務担当の久保です。

8月の銅建値は月初こそ2万円の上げとなったものの、中一日で2万円下げて、その後さらに1万円の続落と、6月からの下落局面をなかなか抜け切れません。

6月からの銅価下落の原因は一つではないと思いますが、その中で今回はロンドン金属取引所(LME)と比較しながらニューヨーク商品取引所(COMEX)の銅相場に注目してみます。

今回、COMEX銅に注目するのには理由があります。

どうも最近の海外銅相場を見ていると、LMEの銅相場よりCOMEXの銅相場が安いときが多いような気がするのです。

そこで今年3月からのLMEとCOMEXの銅相場の動きをグラフに並べてみました。

LMEとCOMEXの銅相場は相違点が多く、単純に比較できるものではありませんが、両者の単位を揃え、LMEは現物取引、COMEXは先物取引といったことには目をつぶって、LME銅現物とCOMEX銅先物の期近物を、あくまで参考として並べて比較しています。

こうしてグラフにしてみると、LME銅とCOMEX銅はその値差が、3月、4月に比べて5月に広がり、そして6月以降はさらに大きくなっているのが見てとれます。

LME銅とCOMEX銅の値差は、昨年2017年には平均して約19ドルほどCOMEX銅が高かったのですが、今年2018年には逆転し、1月が約39ドル、2月が約19ドル、3月が約35ドル、4月が約31ドルほどCOMEX銅が安く、さらにそれ以降は5月が約67ドル、6月が約83ドル、7月が約95ドルと値差がさらに拡大しています。

以上、今年のCOMEX銅はLME銅と比べて安く、5月以降はさらに安くなっていたことがわかりました。

ではなぜCOMEX銅が安いのかが気になるところですが、一つその理由になるかも知れないデータがあります。

これは世界の取引所の銅在庫を地域別に集計した週次のデータをグラフにしたものです。

LMEは世界中に倉庫がありますので、倉庫の所在地別に分類しCOMEX、上海の銅在庫に加えています。

このグラフで注目するのは、各地域の4月以降の動きです。

ヨーロッパとアジアの銅在庫は4月以降はっきりと減少傾向を見せるのに対し、アメリカはここまで増加を続けてきました。

銅在庫の増加は銅の供給より需要が少ないことを意味しますので、銅の値段は下がるのが道理です。

どうやらCOMEX銅が安い理由の一つには、アメリカの銅在庫の増加がありそうです。

COMEX銅が安くなれば、当然にLMEや上海の相場にも影響を与えて、国際的な銅価格を下げていく原因になっているはずですから、今後のアメリカの銅在庫の動きは、銅相場の動きに大きな影響を与えてくる可能性がありそうです。

今後しばらくは、アメリカの銅在庫の動きに注目したいと思います。

今後もいろいろな観点から「銅相場」を学んでいきたいと思います。

久保 淳

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