2018年8月28日 11:00
日頃は大変お世話になっております。 守谷営業所事務担当の久保です。
先週23日には久しぶりの建値上げとなった銅は本日も上げが続きましたが、6月以来の下げ相場が底を打ったのかどうかは、まだまだ不透明な状態です。
そんな中、ロンドン金属取引所(LME)の銅在庫の動きに気になる点があったのでご報告です。
気になる点とはLME銅在庫のうち、キャンセル・ワラントと呼ばれる部分の動きです。
ご覧のとおり8月後半になって、LME銅のキャンセル・ワラントが急増しています。
LME倉庫の銅在庫にはワラント(倉荷証券)という証券が発行されていて、在庫を倉庫から出すときにはまずワラントをキャンセル(解約)し、その後に出庫するのですが、今回注目しているキャンセル・ワラントはキャンセルしたものの、まだ出庫していない状態の銅在庫です。
キャンセル・ワラントは今後出荷する在庫と考えられることから、キャンセル・ワラントの増加は将来の銅在庫減少の兆候と考えられ、それは銅需給の引き締まりを示すものとされ、銅価格の上げ要因になります。
しかしそうは言っても、LME銅の価格は現在の銅需給よりも、政治家の発言や金融市場や為替市場の動向など他の要因の影響を大きく受けているのが現状です。
しかし銅の需給状況はLME銅価格決定の基礎だと思いますから、その動向は注目しておきたいものです。
今後もいろいろな観点から「銅相場」を学んでいきたいと思います。
久保 淳